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空港でチェックインする際に、職員から「座席は窓側にしますか、通路側にしますか」と聞かれることがある。短距離飛行なら眺めのよい窓側を、長距離飛行ならトイレに立ちやすい通路側を、というのが良識的な選び方だが、もし可能ならば、「事故が起きたとき助かる確率の高い座席をお願いします」といってみたいものだ。1985年8月12日、東京から大阪に向かっていた日本航空ジャンボ機が、伊豆上空から群馬県上空まで30分にわたって迷走飛行したあと、御巣鷹山に墜落し、乗客乗員520人が死亡した大惨事を覚えているだろうか。史上最悪の航空機事故に、全世界が驚愕し、悲嘆にくれた。このとき、奇跡的に助かった乗客が後部座席に座っていたことが、当時、日本のメディアですいぶん話題になったと聞いている。この報道のため、後部座席のほうが安全性が高いのではないかと、多くの人が考えたというのだ。では、一般的に後部座席が他の座席に比べて安全なのかというと、実際にはそういったデータはない。飛行機事故の原因はさまざまで、たとえば機体後部の天井が剥がれるといった事故にあえば、当然、後部座席の乗客は不利になる。どのような事故にあうか予測できない以上、どの座席も等しく危険あるいは安全、というしかない。